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「.........ほんと、素直じゃねーやつ」
貝斗はそう言うと、
──────ギュッと私を身体ごと抱きしめた。
「〜〜っ、貝斗が素直過ぎるのっ!」
昔から、貝斗は素直過ぎるぐらいど直球。
「俺の取り柄は〝素直〟だからな」
「............ノーコメントで、」
私はむしろ、素直じゃないから、
あえて、なにも言わなかったけど。
だけど...........................その代わりに。
「............待ってるから、ちゃんと、」
〝決意の言葉〟を口にした。
すると貝斗は..................
「7年後、俺が会社引き継ぐ頃には、
〝冬だけがトクベツ〟じゃなくなるから」
「.........うん。それまでは〝冬だけがトクベツ〟ね」
〝7年後〟を口にしたから。
それまでは私たちにとって、
──────冬だけがトクベツだ。
fin.
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