冬だけがトクベツ

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冬だけがトクベツ

「...............やっべ、さみぃ、」 「ちょっとー!貝斗!はやくーー!」 私、波野千夏(なみのちなつ)はいま。 幼なじみで、2つ上の男の子、 海原貝斗(うみはらかいと)と。 ──────海に来ている。 季節は夏かと思ったら大間違い。 「...............恒例だけど、人いねぇな」 「うん。冬だもん」 〝冬〟に海に来ている。 夏場は、海水浴客で賑わう砂浜も。 冬は.....................誰もいない。 「つか、冬なのに千夏は元気だよな」 「そぉ?私は、 普通だと思うけど、しいて言うなら年齢?」 「............てめぇ、馬鹿にしてんだろ」 「それ以外に思いつかないよ、普通」 2人で話す会話だって、 誰にも聞かれていないから気楽だ。
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