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「............『しょーがない』で、
俺は、終わらせたくないんだけど」
黙っていたハズの貝斗が、突然そう発した。
「............いや、どう考えたって無理じゃん、」
〝夏に来よう〟って、
意味だと思って、貝斗に言葉を返すと。
「うん。たぶん、今はまだ無理」
普通に認めた貝斗。
だけど........................
突然、貝斗が、
私の両手をギュッと、自身の両手で握ってきた。
「〜〜っ、貝斗、なにっ、」
〝手を握る〟なんて行為は久々で。
つい、顔が赤くなってしまうのが分かる。
(貝斗に顔赤いの、バレませんようにっ!)
そう思っていると。
「でもさ、俺頑張るから、
〝冬だけがトクベツ〟で終わらせたくねーの」
私の目を真っ直ぐ見て言う、貝斗の顔。
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