最後まで掴まれなかった素麺

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最後まで掴まれなかった素麺

大学1年の初夏。 私は生物部の新人歓迎会に参加する為に 福岡市早良区石釜にある坊主ヶ滝に来ていた。 「お~い亀谷、流し素麺用の竹の設置を手伝ってくれ」 「は~い!」 滝端の落水を利用して流し素麺をするとはなかなか風流な事である。 「先輩、設置完了しました」 「おう、それじゃ素麺流すタイミングをテストするから流れて来たやつを箸で掴んでくれ」 「はい」 「2回に分けて流すからな」 「はい」
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