新・7月24日

2/2
16人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
 じわり、脇に汗がにじむ。  すうっと開いた戸の向こうに立っていたのは、腰の曲がったおばあさんだった。真っ白な髪を低い位置でお団子にしている。 「ほっほっほ。おばあちゃんだよ、驚かせてしまったかの」  ……おばあちゃん。  言われてみれば、なんとなく見覚えがある。父方の祖母だ。  でも。  でも──違う、そうじゃない。  ぼくが驚いているのは、そんなことじゃない。  だって、夏休みは昨日で終わったんだから。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!