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じわり、脇に汗がにじむ。
すうっと開いた戸の向こうに立っていたのは、腰の曲がったおばあさんだった。真っ白な髪を低い位置でお団子にしている。
「ほっほっほ。おばあちゃんだよ、驚かせてしまったかの」
……おばあちゃん。
言われてみれば、なんとなく見覚えがある。父方の祖母だ。
でも。
でも──違う、そうじゃない。
ぼくが驚いているのは、そんなことじゃない。
だって、夏休みは昨日で終わったんだから。
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