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新・7月24日
それが昨日の出来事で、ぼくは日記を書きあげたはずだった。宿題をランドセルに詰め込み、晴れ晴れとした気分でベッドに入り──。
「ユウヤ、食べないのかい? こんな田舎料理じゃ口に合わないかねえ……」
はっとして前を見る。そこには、おばあちゃんとおじいちゃんがいて、窪んだ小さな目がぼくを心配そうにじっと見ていた。
「あ、ううん。食べるよ。ちょっと考えごとしてたんだ」
慌てて箸を持ち直し、ごはん茶碗を持ち上げる。うちの朝食はいつもパンだけれど、こっちは和食らしい。ごはんにお味噌汁、焼き魚、キュウリの漬け物。食欲はあまりなかったけれど、キュウリの漬け物が思いのほか美味しくて、なんだかんだとぼくはごはんをお代わりしていた。
朝食を終えると、ぼくはずっと気になっていたことを聞いてみた。
「変なこと聞くけど、今日って何月何日?」
ぼくの質問に答えてくれたのはおじいちゃんだった。
「七月……二十四日だ」
「……そう」
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