にっきちょう

新・7月24日

　やっぱり夏休み初日だ。
　これが夢じゃないことは、もう充分にわかっている。何度かほっぺたをつねってみたし、目が覚めるように何度も念じてもみた。けれど、つねったほっぺたは痛かったし、念じても再び目が覚めるということはなかった。

　可能性として考えられるのは、時間が巻き戻り、日記の通りＴ県の田舎に来てしまったということだけ。日記になにを書いたかもはや覚えていないけれど、そうとしか考えられない。

　でも、ポジティブに考えれば、また今日から夏休みがはじまるということで、それはそれでラッキーなのかも？　なんて。宿題はたぶん、ゼロからやり直しなんだろうけど、日記は今日からまた書けばいいわけだし、たまには田舎で過ごすのも悪くないかなあと、ぼくは呑気に思いはじめていた。