新・7月31日

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 ぼくはすぐに立ち上がり、サンダルをひっかけて家を出た。東京のように遮るものがなにもないこの村では、太陽が地面を隙間なく照らしてくる。もうもうと熱気が立ち込める道は、五分も歩かないうちにぼくの全身を汗で濡らした。たらたらと額から汗が滝のように流れ目に染みる。  こんな暑さの中、おばあちゃんは大丈夫だろうか。心配になってキョロキョロしながら道を行くと、畑の真ん中におばあちゃんの姿を見つけた。つばの広い麦わら帽子をかぶって、トウモロコシを採っている。 「おばあちゃーん!」  おーいと手を振ると、曲がった腰を少しだけ伸ばして、おばあちゃんがこちらを見た。両手にトウモロコシを持っている。畦道を歩き、ぼくはおばあちゃんの畑の近くで足をとめた。首に巻いたタオルで汗を拭きながら、おばあちゃんがぼくのほうへやってくる。 「ユウヤ、どうしたんだい」 「ねえ、ここら辺て子どもいる?」 「ああ、いるともさ。この時間なら、みんな川で遊んでる」 「川? 川なんてあるの?」 「この畦道をまっすぐ行って、突き当たりを左。その先に川がある」 「へえ……」
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