むらさきにつつまれる

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「あっ! あの棚!」  ドアを開けてすぐ目の前に、テンションの上がる光景があった。  前にスマホで紫崎に見せてもらった、スニーカーコレクションがそのまま並んでいる。  俺のテンションは、芸能人の家に来たくらいのものになった。 「生で見るとかっこいいな。それに部屋自体も……ストリートって言うのか? わりとヤンチャっぽい」  本棚にはバスケ関連の雑誌やバスケットボール。壁にはバスケ選手のポスター。  ハンガーラックにはフーディーやTシャツ、スポーツジャンパー等が掛けられている。ここも家具の色は黒を基調としていた。 (バスケの影響強めなんだな……)  まじまじと部屋を観察していたら、後ろから紫崎に抱き締められた。 「動きやすいとか、楽な感じの服好きなんですよ。気に入りました?」 「あぁ、すごく気に入った。かっこいい部屋だなっ」  笑顔で、思ったことをストレートに口に出した。  しかし、俺の顔を見つめる紫崎の表情は、どこか不満げで。 「……かっこいいのは、部屋だけ?」 「え」  珍しく褒められたがっているみたいな紫崎の反応に、びっくりして、すぐには反応出来ず。  数秒後、俺は紫崎から顔を逸らして肩を震わせた。 「……皐月さん?」  バレたら怒られそうなのに、震えが大きくなってしまって。隠せそうにはなかった。 「っ……何笑ってんの」 「ごめっ、ふふっ……紫崎もそういうの言ってもらいたいんだって思ったらっ……なんかっ、ツボにっ……!」 「このっ……!」 「わっ!? ちょっ!?」  イラ付いた声がしたと思ったら、後ろに居た紫崎は俺を持ち上げ始めた。  そして、そのままベットの上に降ろされ、紫崎は俺のスラックスと下着を脱がせに掛かった。 「あっ、ちょっ、変態っ!」 「っ……あんたには言われたくないっ」 「もうっ、ぁっ!」  振り向いたら彼も少し楽しそうで、服の下から紫崎の手が滑り込んできた。  まだ少し笑っちゃいそうだったけど、紫崎のせいで声は熱っぽい淫らなものに変化していく。 「んぁっ……ぁっ!」  胸の飾りを指で執拗に弄られて、身体がびく付いた。  脱がされて、首筋や背中に舌の感触や熱い吐息を感じ、頭は快感に侵されていった。
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