ゆるしてください

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 額に青筋を立て、こちらを鋭く睨み付ける紫崎。腕を組むと、説教ついでに俺を追及し出した。 「何考えてるんですかあんたは。昨日様子がおかしくなったと思えばこんな物持ち出して……どういうつもりですか。ここにはあんた居ないと困るって言ったばっかでしょ」 「えっ、いや、だって……」  普段の立場が逆転した所で、紫崎を宥める様に両手を掲げ、自分の罪を自白した。 「俺、昨日酔った勢いで紫崎を襲っただろ? お前に怖い思いさせたし、あれはセクハラの域を越えてると思ったから……責任取って仕事を辞めようと……」 「何でそうなってんの……」  静かながらも怒りを含んだ紫崎の声にびくびくして、言いずらかったけど口にする。 「だ、だって……紫崎起たなかったし……俺にされるの怖かったんじゃ……」  チラチラ様子を見ながら喋っていたら、紫崎は深く溜め息を吐いて、顔面を両手で覆った。 「む、紫崎……?」  名前を呼んだら、沈んでいるみたいな声が返ってきた。 「あれは……俺の体調の問題で、あんたがどうのこうのって訳じゃないの」 「……体調?」 「あれは俺が了承して、係長がしてくれた事だし……無理矢理とかでもないでしょ。だから辞めるとか変な事……」  話の途中、俺はこういう話題では特に頭が回るらしく、憶測を口走っていた。 「もしかしてED……」 「ぁあっ!?」  チンピラみたいな声出して極悪面を浮かべた紫崎に、俺は手をあたふたさせた。慌ててフォローを入れる。 「あっ、いやっ、おかしい事じゃないしっ、若くても起こり得る事だからっ、気にしなくても大丈夫だぞ! 行きずらいなら一緒に病院行ってやるし!」 「あのな……」  奴の怒りを買ってしまったみたいで、紫崎はジリジリと俺に詰め寄ってきた。後退りしていたら、あっという間に壁際に追いやられ、所謂壁ドンというやつをされた。  目の前には、迫力ある紫崎の顔。 「あれはっ、昨日酒飲んでたし、最近は仕事ハードで疲れ溜まってたからあーなっただけでっ、俺はEDじゃねぇ!」 「いや、でも……もしかしたらって事も……」
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