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激しく愛し合った元彼との別れから、部下達を愛で続ける生活に転換して六年。
紫崎のデレ期突入から、飲み会を楽しみにしていた気持ちも倍に膨らむ。
が、ちょっと不安材料があって我に返り、腕を組んで考えた。
(楽しむは楽しむけど、俺みんなの前ではあんまり飲めないんだよな……本性晒すのはまずいし。それに、酔ったらあっち系の話するんだろうな)
デスクに着いて深く息を吐き、肩の力を抜く。
生活していく中で、もう何度目かわからない行為をずっと俺は繰り返している。きっと、今日の飲み会でもそれをする事になるだろう。
そのせいで、最近自分の中に溜まっていっているものがある。
(そろそろガス抜きしないとな)
電話対応や指示出しをして、本格的に仕事に取り掛かる。そうしながら、頭の片隅では悶々とした気持ちの発散方法を求めていた。
─ ─ ─ ────
仕事を終え、重労働を終えた部下の作業員達。
俺とはまた違うものを抱える彼等を引き連れて、焼き鳥が美味しい居酒屋チェーンに来た。
会社から近く、大人数で来ても安い。
気分が昂って、つい可愛い部下達に貢いでしまう俺の懐にも優しい。貢ぎ物は焼き鳥と酒で、すぐ彼等の胃袋に消えてしまうけれど、喜んでくれるので良しとする。
さて、アルコールが入ってくるとヒートアップする話題だが、大半は愚痴。クレーマー、ここに居ない先輩後輩、仕事を出来ない自分に対しての憤り。そういうのはじっくり話を聞いて気持ちを解してやる。
そして、話題に上がりやすいのが……。
「やっぱ胸はでかい方が良い!」
何席もある座敷のひとつで、酔っ払った部下が高らかに主張し出した。
周囲の女性客達から冷ややかな視線を注がれ、冷や汗を流しながらそそくさと頭を下げる。これも一応俺の役割だ。
俺の隣に座る紫崎も、コップをテーブルに置きながら同期のそいつを睨んでいた。
「声でけぇよ……」
「えー、紫崎だってでかい方が好きだろ! 揉みたいだろ! 学生時代、バスケ雑誌載ってモテモテだったみたいだし、かなり揉んだ経験あるだろ!」
「別に……」
始まった。下ネタ混じりの恋バナが。
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