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上半身はベットに突っ伏して、お尻は紫崎の方に突き出した。顔は横に向けている。
後ろを向こうとするけど、可動域が狭まっているから紫崎の表情は確認出来ない。
(いきなりでこの体位はハードル高かったかな……)
「紫崎、ごめん……やっぱり……んぅ!」
彼を想って体勢を変える事を提案しようとした矢先、臀部に感触を感じた。
紫崎の手が添えられたらしく、割れ目には滑りを良くする為のローションが掛けられた様で。トロトロした液体が敏感な部分を撫でるから、身体がひくつく。
彼によって完璧に準備が整えられたみたいだけど、声も聞こえないし顔も見えない。
「ぁっ……ぁあ!」
一瞬不安を感じたけど、大きなモノが内側に入り込んでくる刺激でそれは吹っ飛んだ。
(入ってるっ、紫崎のっ!)
久々の快感で頭が蕩けそうだった。
つい力みそうになるけど、全部受け入れる為に必死に力を抜いた。
「ぁ、うっ、んぅっー……!」
紫崎の肌が密着した事で、根元まで収まったのがわかった。中の圧迫感を楽しむみたいに、内壁は彼を程好く締め付けた。
すると、本当に少しずつ、ゆっくりと。彼の腰が前後に律動し始めた。
「んっ……ぁっ、あっ」
中が擦られて快感になっていき、動かれる度に声が漏れた。でも。
(これはこれで気持ち良いけど……まだ、足りない)
男同士が初めてだから、様子見しているみたいに動きがゆっくりで。焦らされている気がして、もどかしく感じ始めていた。
男を抱いた事がない彼に催促するのも気が引けて、我慢だと自分に言い聞かせようとした。
が。
「んぐっ!?」
両手で腰を強く掴まれたと感じた矢先。内側の奥に強い衝撃が来た。それが始まりの合図だった。
「ぁんっ、ぁあっ、ぁあー!」
律動のスピードと衝撃度が上がっていき、一気に快感が跳ね上がった。内側を激しく擦られ、奥の壁に彼のモノが強くぶつかってくる感覚が堪らなかった。
「っぅー!」
喘いでいる俺の後ろで、必死そうな紫崎の息遣いが時折聴こえてきた。彼が俺との行為を受け入れて夢中になってくれていると、心から感じられた。
ますます、感度も幸福度も上がっていく。
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