ねんがんのよる

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 夜を期待するあまり、頭は悶々としていた。けど、奇行を乱発したりする様な問題行動は皆無だった。それどころか、仕事の正確性は向上していた気がする。  仕事で疲れた後には、最高な時間が待っている。そう思えば、クレーム対応も苦じゃなかった。  昨日から心配されまくっていた紫崎も、普段通りにてきぱきと仕事をこなした様で。同僚達の懸念はすぐに解消されたみたいだ。  就業時間が終わればすぐに会社から離れて、初めて紫崎に触れたバーで彼と待ち合わせた。酔った俺を見たいっていう、紫崎のリクエストだ。  後の事を想像してか、飲んでいる時はお互いが無口。初めてでもないのに照れがあって、目線もなかなか合わない。  あまり喋らないから酒は進んでいたけど、焦りはなかった。  酒を三杯程楽しんだ後は、酩酊状態になり掛けている俺を紫崎が支えて誘導してくれたらしく。気付いたら、前にも利用したホテルの中だった。  部屋の扉前で紫崎が鍵を開けた後、入ってすぐに唇を奪われた。扉が閉まってからは絡み合う様に抱き合って、舌も合わせた。  淫らなリップ音と水音が、アルコールで麻痺している脳を更に麻痺させていく。 「んぁっ、んぅっ……んむっ」  肌をいち早く合わせる為にお互いがお互いを脱がせて、衣服は床に散らかした。  どちらも余裕がなくて、ただ激しく求め合う事だけに俺達は集中していた。  ─ ─ ─ ──── 「ぁっ、うっ、んぅっ!」  ベットに手を引かれてからは、ずっと紫崎のターンだった。  可愛がる様に舌先や指で感じる場所を弄られ、骨抜きにされた。  その後は、俺が欲しがっていたモノをすぐ内側にくれた。  紫崎は硬く反り起ったモノを何度も奥に打ち付けて、激しく俺を乱れさせた。 「ぁうっ! ぁっ、ぁぁっ!」  この前と違う体位なのも、俺を更に興奮させる材料になっていた。足を大きく開かされ、腰を持ち上げられた状態で彼のモノを受け入れている。  部屋の照明は明るく、身体の隅々を彼に披露する事になった。  表情も見られてしまうから、恥ずかしさで彼自身を強く締め付けてしまう。それが紫崎の律動を速めさせるから、更に俺は喘ぐ。  逃れられない無限ループだった。
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