たしかめあう

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 すると、彼は熱っぽい眼差しで俺を見つめ、顔を寄せてきた。 「皐月さんに触られたら、俺抱くの我慢出来ないから……それは無理。でも……」  もう自分からは逃げられないと言いたげな顔で、彼は俺を揺さぶった。 「皐月さんが俺に触りたいと思うなら、そういうことだって、認識する。もう何言っても放さないし、離れない。それでも、俺に触る?」 「えっ、ぁっ……それはっ……」  意表を突かれて一瞬あわあわしたけど、数秒後に、覚悟は決めた。 「っ!」  下から身を乗り出して、紫崎の唇を奪った。触れたのは一瞬。  目を見開いている彼からすぐに視線を逸らした。  そして、消えそうな声で消そうとした想いを告げた。 「お、俺の気持ちは……そ、そういうことだけど……嫌になったら、いつでも逃げてくれ」  不安がなくなったわけじゃない。この先もどうなるかはわからないから、彼の逃げ道は残してやりたかった。  けど俺自身は、彼の想いや言葉を素直に信じ、受け取ってみようと思った。  すると、話を聞いていた紫崎は、みるみる表情を変えた。  額には青筋が立っていて、彼の表情はムードをぶち壊しそうな程の怒り顔だった。 「誰が逃げるかっ」 「えっ、ぁっ、んんぅっ!」  強く引き寄せられて、今度は彼が俺の唇を塞いだ。  荒々しくて情熱的で、溶けそうになるキス。彼の舌で唇は割り開かれ、舌は浚われた。 「ぁっ、むらっ、んっ!」  さっきまでのしんみりとした空気感は、この部屋にもうなかった。  存在するのは淫らな水音と、お互いを求め合う男同士の息遣い。それから、情事への期待と実った気持ちからなる高揚感が混じった甘い時間。  少し前は脱がされるのを拒んでいたのに、今は早く自分を暴いて欲しくて堪らなかった。  紫崎が俺の上を脱がせている時に、俺は彼の下を脱がせて。彼が自分の上を脱いでいる時には、俺は自分で下を取り払った。  お互いの肌を撫でながら抱き締め合い、もう一度キスを味わった後は俺から彼を愛撫した。  耳、首、胸元、腹筋に唇と舌で触れ、最初に気持ち良くしようとした場所へと徐々に下りる。
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