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それだけじゃなく、一番頭に来たのは、これ。
「もしかしてED……」
「ぁあっ!?」
自分の機能に対して少し情けなく思いながらも係長を説得したのに、EDって。一番して欲しくない勘違いだ。
けど、この勘違いのおかげで恥とか怒りを振り切って、二度目の機会を手に入れた。
それが午前中の出来事。周りの目なんか気にならない程、リベンジに燃えていた。
その気持ちがあったからか、ホテルでシャワーを浴びている時点で俺のモノは反応していた。
それを見せられただけで、目的は達成していた気もするけど。俺の中ではそれだけじゃ足りなくて、今度は俺から係長を求めていた。
きっと、係長の知らない部分をもっと見たいと、望んだからだろう。
俺の裸見て「ありがとう」って言ったり、酔っている時と違っておどおどしていたり。
不審に感じたけど、会社で見られない姿に好奇心も動いていた。
男の裸体を至近距離で見るのは初。自分自身どうなるかはわからなかったが、全然平気で。逆に俺は更に興奮して、係長を感じさせようとした。
「んぁっ、ぁっ」
(声もエロい……もっと聞きたい。もっと……乱れて欲しい)
こんなに欲情した覚えは、今までにない。
その先については考えていなかったが、互いに触り合って限界を迎えた。
強引だったから、最後に謝ったけど、係長は笑って俺を許してくれた。
それでこの関係はもう終わろうとしていたけど、俺はそれを先延ばしにしようとした。
「EDじゃないってわからせられたし、係長と、皐月さんとならこういう事しても大丈夫って思えたから……なんとなく」
皐月さんにはこう伝えたけど、なんとなくじゃない。
放したくないって気持ちが、もうこの時には確かにあった。その時はまだ、はっきり言えなかったけど。
俺は、会社で見たことがない皐月さんに、一目惚れしていたんだろう。
─ ─ ─ ────
卵焼きを三切れ程食べた後、残りはラップをして冷蔵庫に仕舞った。朝、皐月さんと分けて食べようと思って。
片付けを終えた俺は、皐月さんが居る寝室に静かに戻ったけど。
(……なんて寝相してるんだ)
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