こいのきっかけ

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 全裸だから仕方がないけど、俺の方に背中を向け、タオルが捲れて尻が丸見えになってた。  また性欲が復活しそうだったけど、さすがに抑えて、タオルケットを掛け直す。  そしてベットに腰を下ろすと、再び皐月さんの寝顔を眺めた。 (この人は本当に突拍子もないことするから、ずっと見てられるかもしれない)  係長と一緒にご飯を食べて、性癖について聞いた時も驚いたし。    関係を断られた筈なのにメールが来た時は居ても立っても居られなくて。他人に送られたものだって気付いた時には、頭が狂いそうだった。無意識に嫉妬していたんだろう。  皐月さんと繋がった時は、俺のモノに刺激を与えながら喋ったり。自分から率先して四つん這いになったり。  俺が二度目を我慢して欲求不満でおかしくなった時は、やっぱり嫌だったと勘違いさせ。皐月さんに土下座までさせた。  その時に、彼が話していた好みは嘘だと知れたけど。自分の気持ちをはっきり言えば良かったと、後で後悔した。  でも好きだからこそ、無理させたくなくて言えなかったことにも気付いて。もう一度皐月さんを抱いた時には、自分の気持ちをはっきり自覚していた。  トイレで湿布貼ってて孫と爺ちゃんと言われた時も、智彩が会社に来た時も。はっきり言いたいくらいだったけど、他人が居る時に聞かせることでもない。  でも、社食でのことがあったから、言う決心がついた。  ─ ─ ─ ────  智彩が去った後、皐月さんの様子はおかしかった。不快な想いをさせたんだと、その時は思って。  だから休みに約束を取り付けて、埋め合わせしようと思ったんだけど。その後も皐月さんは変で。  食堂で俺を見付けた時の嬉しそうな顔は思わずときめいたけど。皐月さんは隣で、ずっとおどおどそわそわしていた。  何かありそうだったから話を振ってみると。 「昨日、彼女にいろいろ聞かれて……好きなタイプとか居る様に言ってたけど。あれって、彼女諦めさせる嘘だったのかなって気になってさ……」 (……もしかして、俺にそういう相手が居ると思って、気にしてた……?)  様子がおかしい理由がそれだったのが、とても嬉しくて、内心舞い上がっていた。
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