つきあいたてのふたり

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 しばらくイチャイチャした後は一緒にシャワーを浴びて汗を流した。  その時もある程度密着していて、付き合い始めだからこそのラブラブ具合が加速していた。  比べるべきじゃないけど、元彼の時よりも必要以上に触れ合っている気がする。  着替えた後は二人で昨日の後片付けをしながら朝食を作った。  紫崎がある程度やってくれていたから洗い物だけで済んで、すぐに朝食作りに取り掛かった。  けど、付き合い立てで一緒にキッチンに立たせるのも悪い気がして。味噌汁用の豆腐とネギを切りながら申し訳なさげに謝った。 「ごめんな。本当なら紫崎にはゆっくりして欲しかったんだけど……昨日の内に準備しておけばよかったな」 「準備させなかったのは俺だから」 「あー……」 (そういえば、キッチンに立ってから寝室直行だったな)  なんて返すべきかわからなくて、まずい顔して間延びした相槌を打つしか出来なかった。  紫崎に冷蔵庫から漬物等を出す様に頼んでいたら、昨日作った卵焼きを出してきた。 「あ、紫崎が冷蔵庫入れておいてくれたのか。ありがとう。……あれ?」  紫崎の好みの味じゃないから、作り直そうと思っていた。けど、よく見ると量が減っている気がして、俺の疑問の声に紫崎はすぐ応えた。 「昨日片付けしながらつまみ食いしたから……すみません。半分ずつ食べるくらいは残したけど……」 「そっか」  昨日これのせいで怒っていたから、紫崎は少し恥ずかしそうな顔をしていたけど。調理場に出した物を置きながら言ってくれた。 「美味かったです……」  今度から気を付けようとは思ったけど、捨てずに食べてくれたし。感想まで言ってくれたのは嬉しかった。 「ありがとう」  それからは俺の気持ちも軽くなって、機嫌良く料理した。紫崎も照れている感じはあったけど、その場の空気感はとても良かった。  テーブルに簡単なおかずを並べると、隣同士に座りながら朝食を食べた。  昨日の卵焼きに味噌汁、ウインナー、漬物。本当に簡単なものばかりだったけど、紫崎は美味しそうに食べてくれていた。
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