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テレビの天気予報を見ると今日は晴れで、出掛けるにはもってこいの日。
夜のことばかり頭にあって、この後どうしようかなって考えていたら、視線を感じた。
「どこか行きますか?」
その提案がデートを連想させたから、俺の気分は上がって、はしゃぎながら言った。
「行く! じゃあ俺が運転するから、ドライブ行くか!」
「はい。じゃあ……」
はしゃいでいるのは俺だけかと思ったけど、紫崎も積極的に行き先の提案をしてくれた。
彼も楽しそうで、初々しい雰囲気を纏いながらデートの計画を二人で練った。
─ ─ ─ ────
「シート、座りやすい位置に直して良いからな」
「ん、これで大丈夫」
朝食を食べて片付けた後、地下の駐車場に行き、紫崎の荷物を乗せて車を発車させた。
隣に人を乗せるのは久しぶりだ。紫崎も俺の車に乗るのは新鮮そうで、俺の運転姿と外の景色を交互に見ていた。
「会社には電車で来てたみたいだから、車持ってないのかと思ってた」
「車で行った方が楽だけど、通勤は運動がてら歩く様にしてるんだよ。あと、会社だと飲みに行く機会もあるから。飲む量は少ないけどな」
「……みんなの前で酔ったら大変だから、いっぱい飲みたかったら俺誘って」
「喜んでそうさせてもらう」
これからは気軽に飲める様になるから、気持ち的には楽だ。
が、少し運転していると、テンションが高ぶり過ぎて頭にいろいろ浮かんできてしまった。
(これからは、こうやって紫崎と出掛ける機会も増えるんだろうな。そしたら……車の中でセックスとかも……)
「っぅー!」
「皐月さん?」
危ない。考え過ぎて身体が熱くなりそうだった。紫崎も不審そうな目してる。
「い、いや……なんでもない」
「顔真っ赤だけど……」
「ほ、ほんとなんでもないからっ! あっ、○イソーもう少しで着くからな!」
(恋人になったから、出来ないこともないだろうけど、だめだっ! 付き合ったからっていろいろ見せ過ぎたらドン引きされるっ!)
雑念を振り払いながら、なんとか目的地の百円ショップにやって来た。
昨日テレビでやっていたことを紫崎も覚えていて、覗きたくなったと二人共意見が合致。
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