3. 本庄

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「本庄、どうした?」   ――おれのじてんしゃがないんだ――  直接圭祐の頭の中に語りかけてきた。  お前の自転車は事故でグシャグシャだ、と言うのは酷な気がした。そろそろ一周忌で帰ってきたのだろうか。 「家に帰るのか?」  圭祐が聞くと、こくんと肯く。 (しょうがないなあ)  圭祐は自転車から降りると、本庄の前まで自転車を引いて行った。 「ほら、俺のを貸すから、これで帰れ。お父さんもお母さんも待ってるぞ」  本庄が肯くのを見て、圭祐は歩いて校門を出た。  徒歩だと次の電車には間に合わず、八時台の終電になるが仕方ない。  圭祐は駅に向かって歩き出した。  
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