清華学園の姫たち

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月華学園と清華学園は何百年も昔に建てられた由緒ある全寮制の高等学校である。 月華が男子校、女子が清華である。 学園で最も重要視されるのが稀血や特異体質の人物で、稀血の者には翼(稀血を守り抜く義務がある)を2名以上4名まで持つことが校則で決められている。 稀血の者は月に1度100ccの血液採取が義務付けられておりそれをすることにより学費免除、寮の個室、学食の免除等といった一般の生徒とは違った待遇がなされている。 翼にも稀血どうよう学食が無料で食べられる他様々なめんで優遇されることから稀血のものから翼に選ばれることは名誉あるものだとされていた。 学園に入学後1ヶ月以内に稀血は翼を選ぶが稀血のものが翼を選べないでいる際は、入学テストから優秀な人材を学園側から割り振ることで翼が誕生する。 九条凪稀血レベルMax 両翼には、朝倉陽向、鳳凰クラス書紀 加納千聖、鳳凰クラス副学級員 を従えている。 九条家は6人兄妹のうち3人が稀血で双子の雅美は月華学園にいる。 もちろん彼も稀血である。 「凪様おはよう御座います」 「凪様お迎えにあがりました千聖です。」 朝6時2人の翼が部屋の前で待つ。 「陽向、千聖おはよう。さぁいきましょうか。」 腰まで伸びた長い髪を1つでに結った凪が現れると2人は顔を赤く染める。 見目麗しい姿に2人以外の学生たちも振り返り頭を下げる。 いつもの光景である。 寮から学園に向かって華麗な薔薇が咲き誇り学生達を迎えているかのような情景。 「凪様私は幸せ者です。凪様とこうして歩けるなんて。」 「私もです。」 陽向も千聖も華やかさを放つ容姿の持ち主でこの2人に思いを抱く学生も多い。 3人揃って歩く姿に学生達はうっとりと立ち止まってしまうこともあるほどだ。 「今日の1限目は確か漢文だったな2人は課題を終えてきたか?」 「はい勿論」 「私もやってきましたが、あまり得意ではなくて、あの教室についたら教えていただきたく。」 千聖が恥ずかしそうにしている。 「判ったあとで見てあげよう」 凪はクスッと微笑むと千聖の髪をそっと撫でた。 「凪様。。」 千聖が真っ赤になって俯く姿はとても愛らしい。 羨ましそうに陽向はその光景を見ながら歩く。 ふと視界に蹲ってる1人の学生の姿が目に入った。 「凪様私が」 そう言う陽向を押しやって凪はその人物の元へと歩き出した。 「どうしたの?気分が悪いのかな?」 膝まずいてその少女の顔色を伺う。 真っ青である。 「陽向私の鞄を頼む。」 そういうと軽々と少女を抱きかかえた。きゃーっと周りから黄色い歓声が飛び散る。 「凪様私が」 「千聖には無理だろう、勉強教えてあげられずすまないな、1限目に間に合わなかったらその時は頼んだよ。」 「畏まりました。」 少女は凪に抱かれながらグッタリとしている。 貧血か? 凪は足早に保健室へと向かった。 「おはようございます。急患です。」 ドアの前でそういうと自動ドアが開く。 「九条さんとりあえずベットへ寝かせて貰ってもいいかな?」 保険士の綾城先生がいう。 凪はそっと少女を空いているベットへおろした。 「このこ貧血ですか?」 「そうだね。貧血だね。ここのとこ少し落ち着いてたんだけどね、」 「ここのとこってことは以前から貧血があるってことですか?」 「ええ。血を採取するたび一時期は倒れていたくらいだからね。」 凪は首元の百合のネックレスに目をよせる。 稀血ってことか、しかも金のネックレスってことは最も希少で貴重な稀血だ。
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