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9月8日金曜日、彼から連絡先をブロックされたことがわかった。
金曜日の出勤前に調べたのが間違いだった、と1分前の自分を恨んだ。
しかし実は連絡が帰ってこない時点で察していたのか。
思いの外、納得感があった。
一応は、1年間付き合っていた、はずだった。
きっかけは1ヶ月前、だろうか。
あの時は普通の彼だったはずだ。
いつも遠慮しがちな私に、遠慮しないで連絡して、と言った。
普段は2週間くらい間を空ける。
でも私は彼の言葉を信じて、1週間で連絡をした。
その日、次の日、そのまた次の日。待っても返信は来なかった。
見たかどうかがわかる、今となっては忌々しい機能も何の情報も示さない。
そして、私が連絡をしてから2週間が経ったのが、この間の金曜日だった。
この手段しか連絡先を持っていなかったからか、
人とこんな簡単に縁が切れるのかと改めて驚いた。
彼はスッキリしたのだろうか。
罪悪感に駆られているだろうか。
もう一度連絡したい気持ちと戦ってくれているだろうか。
新しい依存先を見つけただろうか。
そう思うと、彼から渡された言葉たちが浮かび上がっては心に刺さる。
物理的な痛みを感じるこれは、心が作用しているにしては強く、
一方で悲しみか、怒りか、恨みか、悔しさか、
感情の選択に迷っているようだった。
思わず痛みを感じた場所を押さえてみた。
若干目に温かさが集まる感覚もあった。
大丈夫。
死ぬわけじゃない。
こんな時、そう落ち着かせるのが精一杯の自分の未熟さに失望した。
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