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アルファ
身を刺すような、張り詰めた冬の朝だった。
窓の外はまだ暗く、ほんの僅かな暁の光がやけに眩しかったのを覚えている。
義理の息子からの連絡で、孫娘の誕生を知った。
名前は既に決めていて、「アルファ」と名付けたという。
夜明けに生まれた初めての子。
娘共々学者で、中々子どもに恵まれない中の出産だった事もあり、喜びもひとしおだろう。
私も浮き立つような気持ちを抑えきれないまま、通話を切った。容態が落ち着いたら、すぐ会いに行くと伝えて。
まさかその後、娘と義理の息子を同時に失う事になるとは、露ほども思わずに。
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