神判

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─1─ 「おい……あれ見てみろよ」 「えっ?」 「あんな高い所に立って何やってんだ……」 「祭り……じゃないよね」 「違うだろ」 「しっ……何か話してるぞ」 「これから、村のルールを破ったとして、審判を行う。ここを無事に渡りきる、もしくは落ちても生き残れた場合、無罪とします」 「おい、聞いたか今の」 「はい……聞きました。お前も聞いたか?」 「うん、聞こえた……」 「俺たち、まずいもの見ちゃったんじゃないのか?」 「おいおいおい、あんな高い所、本当に歩くぞ」 「あんなの、はじめから渡らせる気ないでしょ。それに、落ちて生き残れるような高さじゃねーよ」 「──十メートルはありそうですよね」 「ああああああああ」 「──まじかよ」 「兄貴、早くここから離れよう」 「七瀬、篤人の言うとおりだ。早く逃げよう!」 「おい! そこで何してる!」
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