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プール掃除
夏は楽しいだけじゃない。市民用に解放している中学のプールを掃除しないといけない。明日になると、二学期になるから、普段は緩いチェックも先生の目が鋭くなる。
ほんと、嫌になる
「門倉さんは、た、楽しかったですか?」
同じクラスメートの子が勇気を出して、話しかけてくる。二学期になったら、あたしら陽キャラの中に入りたいとか?
「・・・・・」
思いっきり無視してやった。だって、性格が合わないんだもん。大人しいし、前髪長すぎて、目元まで隠れてるの。
本来はもっと、大人数で、掃除をするはずだったのに、暁斗も千景も拓磨も有美も、ライン無視するし。
【明日、楽しみにしてなさいよ!!】
あたしは嫌みたっぷりにグループラインに送信して、今に至る。
「門倉さん、無視は酷いです。私は・・・」
「早く、水抜いてよ!!」
この子と最後の夏を迎えるなんて、最悪だ。早くしてよ!!夕日で、アスファルトが熱くなってるんだからさ!!
ざぶん!!
軒があるベンチで座りながら、水が抜けるのを待っていたあたしに、不穏な音が響く。
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