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「ねぇ、おとうさん。
あの雲、わたがしみたい。ソフトクリームにもみえる。
たべたら、おいしいかな」
「おう、美味しいかもな。いつかお父さんと一緒に食べに行こうか」
「うんっ!」
幼い日の夏の休日、
多分、公園からの帰り道だったと思う。
手を繋いで、もくもくと立ち昇る夏雲を眺めながら話した、朧げな記憶――。
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黒塗りの車の窓から眺める空には、あの日と同じような入道雲。
「先に一人で食べに行っちゃうなんて、お父さんずるいよ」
私は手の中の写真に、そっと語りかけた。
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