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その20年ほど前、父はC型肝炎の治療を受けていた。
ウイルス増殖の抑制効果があるとされる『インターフェロン』の投与治療を続け、
発熱、悪寒、全身倦怠感、頭痛、関節痛、吐き気など、様々な副作用に襲われながら、父は気丈に仕事をこなしていた。
娘の私には、弱さを見せない、いつも明るい父。
まだ学生だった私は、そんな事は何も知らず、癌が見つかった時に、初めて母からそれを聞かされたのだった。
無事に肝炎を克服した筈だったのに、その病の欠片は父の身体の中を密かに蝕み続け、数十年経って、恐るべき悪魔に姿を変えた。
それが『肝臓癌』だったのだ。
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