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「颯太くん! 遊ぼう!」
「し……ずく……なんで……」
「遊ぼうよ! ね?」
そう言って微笑んでいる。五歳ぐらいの少女。俺が、ガキだった頃に亡くなった妹の雫に瓜二つだった。
その顔を見て、深く後悔していることを思い出す。それは、俺がまだガキだった頃。あれは、むせかえる暑さでここ近年でも特に気温が高かった日だった。
俺の妹はいつも、無口で何を考えているのか兄である俺も理解できなかった。いつも、ちょろちょろと後ろを着いてくる一つ下の妹がウザかった。
だから、少し嫌がらせをするつもりだった。ほんと、軽いイタズラのつもりだった。田舎のじいちゃん、ばあちゃんの家に遊びに行って二階に上がった。
そしたら、俺に着いてきたのだ。そのため、俺は駆け足で登り階段からの視覚に隠れてあいつがきたとこでわあ! と驚かすつもりだった。
だって、あいつ……いつも何も言わないで俺の後を着いてきてたから正直気味が悪かった。でも、あんなことになるなんて思いもしなかった。
「お兄ちゃん……どこ?」
「わあ!」
「えっ……きゃあああ!」
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