夏の終わりに

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そして待ち合わせの時間、東口のロータリーに着いた。目印は黒キャップらしい…。しかし… 「人ヤバくね?多すぎ」 はっしーが眉間に皺を寄せながら言った。 「あぁ。こんなに居るとは思ってなかった。地獄だ」 僕は人混みと無作為な熱気にやられてしまった。 「これじゃどこに居るかわかんねーからmocaちゃんにDMするわ」 そう言ってはっしーはmocaちゃんにDMをした。 mocaちゃんはうちらの1つ年上で、東京に住んでいるらしい。もう一人mocaちゃんの彼氏の「勇人(はやと)」と一緒に来ている。 すると、 「あっ!はっしーくん見つけた〜!」 そう言って女の子が隣に居たはっしーに声をかけてきた。 「てことは君がレンくんかな?」 mocaちゃんは、想像していたより100倍可愛かった。そして黒キャップを被った勇人は、それに負けないくらいイケメン。まさにお似合いのカップルじゃん。…リア充かよ。 「それじゃ、とりあえずカラオケ行こうか!」 そう勇人が言うと、交差点に向かって歩き出した。 交差点も人がごった返している。その間を勇人は上手いことすり抜けて、みんなを一番前まで連れて行ってくれた。 そのまま信号待ちをしていると、黒い影が横切った気がした。 ん?今、誰かがmocaちゃんの背中を押さなかったか…? そして次の瞬間、mocaちゃんは僕の目の前から姿を消し、横切る車に巻き込まれてしまった。
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