夏の終わりに

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僕は初めて、大切な人を亡くした——。 夏休みも終わり、あの日から2週間経った夏の終わりのある朝。気づけばセミの鳴き声も聞かなくなった。 あの出来事は事故ということで処理されたらしい。 僕は夏の気怠さから抜け出せずに、棟の窓から庭を眺めていた。 するとスマホにメッセージが届いた。通知を見るとそれはmocaちゃんからだった。 え!?一体どう言うこと?僕は混乱した。 もしかしてあの日の出来事は夢で、今もmocaちゃんは元気に生きているのか? 『こんにちはレンくん。 6年まえに出会ってから 最近は毎日が楽しいよ。 レン君はどうかな? たまには会いたいよ 花火も一緒に見たいな 約束したよね 東京で会えたら 逃げないって。』 『勝手かもしれないけど レン君好きだよ。 知ってるよね? じゃあね 夏の終わりに 一緒に居れるかな。 『(時計の絵文字)ちなみにこれは予約送信だよ』 ふざけんなよ。今更そんなこと言われたって……。 あの日、東京で会ったら、直接好きな気持ちを伝えたいと言われていたんだ。 だから彼氏を連れてくると知った時は、間接的にフラれたんだとショックで仕方なかった。僕もmocaちゃんのことが好きだったから。 悲痛な想いに涙が溢れた。
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