夏の終わりに

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だけど冷静になってメッセージを読み返してみると、妙な違和感を覚えた。 mocaちゃんとSNSで知り合ったのは、6年前じゃなくて今年の7月だ。 それに、このメッセージがmocaちゃんが生きている時に書かれていたとしたら、まだ会ったことがないのに「たまには会いたいよ」はおかしい。 確かに会いたいって話はしていたけど…。 しかも予約送信って急に時計の絵文字を使ってるし。受信時間を見ると「12:51」だった。 ちょっと、待って……。 に気づいた時、僕は全身の血の気が引いた。 送られてきたメッセージの頭文字を繋げて読んでみた。 『ころされたはやとに』 『かれしじゃない』 全て勇人が計画したことだった。 あの日、わざわざ人が混雑している新宿で、僕らと会うのもその為だったんだ。黒いキャップを被っていたことも、顔を隠す為だったのかもしれない。 そして、身の危険を感じていたmocaちゃんは、ダイイングメッセージを僕に送ったんだ。 だけど理由は一体?何故?
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