50人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルに行って先に置いていたコップにお茶を注いで、彼がいつも座る場所に置くと、それに釣られて彼がテーブルに来て、いつもの場所に座った。
自分のコップもお茶を注いで、手に持っていつもの場所に座った。
いつもと違う雰囲気からか、無言でお互いお茶を飲む。
ちょっとすると彼が話し出した。
「なんな、話の前に先にお願いがあるねん。僕の話聞いたら、言いたいこと、聞きたいことあると思うけど、何も聞かんと黙って、とにかく僕の言う通りにして欲しいねん」
そう言って、ばっと頭を下げた。
『えっ?どう言うこと?言ってる意味わからへん』
何を言い出すんや…と困り顔で彼に伝える。
「カナがそう言うの分かっててん。でも、その上でのお願いやねん」
もう一度頭を下げる。
(その上でのお願いって…)うーんと悩む。
『その願いをきかへんかったら話が進まへんの?』
と彼に確認してみると、私をじっと見つめて頷く彼。
そんな彼をじっと見返す。
真剣な表情を見て、気持ちを固める。
『分かりました…そなたの願い、受け入れましょう』
と、少しおどけて明るく彼に伝えてみた。
すると、彼なりに緊張していた様で、私の返事を聞いてほっとしたのかおどけて話し出した。
「ありがたきお言葉。我は幸せに存じます…カナ様のおかげで、本題に入れます」
ははーっと恭しく頭を下げる。
頭を上げた彼と目が合って、お互い微笑み合う。
でもすぐに彼が真顔に戻って予想だにしない事を言った。
最初のコメントを投稿しよう!