49人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
ついに記録更新ストップ
季節が、秋から冬に少しずつ変わろうとしている最中、彼から連絡がない日の記録更新がストップする日…この時が遂にやってきた。
ーーーピンポーン…ピンポーン
遠くの方で呼出音が聞こえてきて、何となく目を覚ます。
夜ごはんのおかずをあてに呑んでいた熱燗で酔って、そのままテーブルに突っ伏して寝てしまったようで…目は覚めたものの、頭はまだぼーっとしている。
ーーーピンポン…ピンポン…ピンポン..ピンポン..ピンポン.ピンポン.ピンポンピーンポ~~ン
さっきより激しく呼出音が鳴っていて、頭をぼーっとさせたまま、ふらふら~っとモニターを見に行くと、彼らしき人物が写っていた。
このぼーっとした頭では、モニターに写っている彼が本物か似ている人なのか判断つかず、応答ボタンを押して『失礼ですが、どちら様ですか?』と、確認してしまった。
モニターには、戸惑った彼の姿。
「ど、ど、どちら様ですかって、どう言うことや!?僕や~、僕に決まってるやん!ちゃんとモニターに写ってるやろ~?僕やで~!」
スピーカーから少しむっとした感じの彼の声。
(うん。間違いない!彼や~!)
彼の姿、声、本当に久しぶりで、なんかむっちゃ嬉しくって!
まだ醒めていない酔いが手伝って、なんか楽しくなってきた!
相乗効果(?)でぼーっとした頭も、ぼーっとしたなりに頭が動き出し…(そうや!私を待たせた腹いせに、ちょっとだけおちょくったろ…)内心ニンマリして、応答ボタンを押す。
『えーっ?ほんまに本人さんですか?』
「えっ?何言ってるん?本人に決まってるやん!えっ、なに、なに?もしかして、三ヶ月で彼氏の顔忘れたん?僕の彼女は、三ヶ月で薄情になってしまったん?」
少し落ち込んだ表情をする彼。
そんな彼をモニター越しに見て、ちょっと心痛くなるけど、もうちょっとだけ…。
『薄情って…私の彼氏やった人は、“いつになるかわからへんけど、僕から必ず連絡するし”…って、言ってはったんです。“訪問する”とは、一言も言ってなかったんやけど、おかしいなぁ…』
この言葉を聞いて彼の表情が一変!
えん魔様もびっくりのもの凄い怖い顔になった!
「あほっっっ!!何度も何度もカナのスマホに掛けたけど、“現在この番号は使われておりません”って、返しばっかりで心配になってカナの家に来たんやーーー!!!」
彼の怒鳴った声を聞いて、一瞬にしてさーっと頭から血の気が引いて、酔いも一気に醒めていく…慌てて玄関の鍵を開けに行ったのはいうまでもありません…。
最初のコメントを投稿しよう!