始まりは突然に

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始まりは突然に

さてと! 先ずは留守中にしでかした事に対して、「あたしからの」お説教は一応終えておいた 本当はもっともっと言いたいことはある!あるんだけど! 取り敢えずは ハルちゃんとシイちゃんに危険な事をさせたこと、あたし達の事を考えてくれたのだろうけど、騙した事、あとは…ネコにくっつかないとわからないんだけど、微かに鼻を擽る火薬と…血の匂いの事も… あたし達は台風一過の見事な青空の下にある、カフェ美宙に帰ってきていた は? もちろん朝イチの飛行機に決まってるでしょ!使えるコネはフル活用してビジネスジェットをチャーターしたのだ!あのバカネコに言いたいことが溜まりに溜まって、在庫はパンパン、美優ちゃん風に言わせると消費期限切れ直前にまでなったんだから! 冴香ちゃんと優花ちゃんと美優ちゃんはと言うと、帰ってくるなり挙動不審だったハルちゃんの言動に何やら思うトコロあるのか、荷解きも早々にカフェの在庫チェックに向かった をいバカネコ?これからまだあの3人からのお説教が待ってるんだから覚悟しておきなさいよ? 「あのー、秋ちゃん?」 あたしの背後から申し訳無さそうな口調の恋人の呼び掛けが ん?何かな、バカネコ?海上保安庁さんや警察屋さんや消防署さんに迷惑掛けたことならもう聞かせてもらったから、他に何かあるのかな? 最高の笑顔で応じてやる 三十年前、こいつが好きだと言ってくれた、今のあたしに出来る最高の笑顔、ではあるが …さすがの秋ちゃんも最近ほうれい線が消えにくくなっているのだ 「僕はどうしてハンディタイプのビデオカメラを持っていて、秋ちゃんはマイク型のお菓子をお持ちなんでしょう?」 何よ、何か文句あるの?あんなに冴香ちゃん達を心配させておいて あんたので音まで拾えるんだから、あたしのは気分よ、気分! 「いいえ、ないっす…」 小さな溜め息とともに蚊の泣くような声で返事が返ってくる これからカフェの皆にインタビューして回ろうと思ってさ 「…は?」 南国の豊かな陽射しの下、ネコからそう返ってきたのには、たっぷり一分は経っていた ほら、話しを聞いてたら新曲のインスピレーションが湧くかもしれないでしょ?あたしの仕事手伝える暇人はアンタしかいないのよ! 「…僕はまた更なるお説教のネタ探しなのかと思いましたが…秋ちゃんの創作活動のお手伝いなら喜んでお手伝いさせてもらいますね!」 ギクッ こいつ…昔より鋭くなったんじゃないか? 新曲よりソッチがメインなつもりナンだけど
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