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優花と美優の場合
「ちょっと猫さん！あたしと美優ちゃんのおやつ用に買っておいた、プリンとオレンジゼリー、食べきるなんてひどくないですか？いくら猫さんでもやって良いことと悪いことがあるんですよ？…ちょっと、あたしの話聞いてます？」
麦わら帽子を被せてくれるや否や、優花ちゃんが真赤になってネコに怒っている
おー、いいぞいいぞ♫もっと言ってやれー？
あたしはこういう修羅場が見たかったのだ
若干気になる内容ではあったが…
「あの、あと冴香さんが凄くお怒りでした…オレンジジュースやケチャップ、ハンバーグ用の合挽きが減ってるのと…」
あたしに日傘を差し掛けてくれながら、美少女美優ちゃんからも
…内容は冴香ちゃんの怒りのタネのようだが
切株に腰掛けたまま、バカネコはこめかみを押さえている
大方言い訳でも考えてるんだろう
しかしながら、次いで美少女二人の発した言葉はさすがに看過することが出来ない内容だった
「あ、ハグしてくれてキスまでしてくれたら、冴香さんの怒りを反らしてあげますけど？」
「あ、あたしも…今度はオトナのキス、してくださったら…冴香さんの情に訴えかけてみます…」
…今の二人の発言を整理するとだ
優花ちゃんとは未だ何もない、未遂もなく、清い仲のままである、と
問題は美優ちゃんで…「今度は」って言ってたな、確か…つまり最低でも一度はキスくらいしたことがあるってこと？
…ネコ？わかってる？美優ちゃんとあたし達は親子ほど年が離れてるんだぞ？キスだけでも犯罪なんだぞ？しかもこんな美少女相手に…
「…あー、食材についての詳細は…ハルとシイに聞いていただく方が正しい情報が伝わるかと」
「そうそう！ハグとキス、別に僕は構いませんが…うちの賓客様がお怒りになられるんじゃないでしょうか？…秋ちゃん、この子達のリクエストに応えても…」
許すワケないでしょうが！！！！！！！！！！
全く、説明をハルちゃん達に丸投げするわ、恋人の目の前で親子ほど離れた娘とハ、ハグにキスぅ？
そんなのお天道様が許してもこの秋ちゃんが許すわけあるかーーー！！！！！！！！！
「残念です…冴香さんならキスくらいなら軽く許してくれ…ませんよね…間違いなくМ＆Pで蜂の巣にされますよね…」
は、蜂の巣？
あのお淑やかで淑女然とした冴香ちゃんが？
そ、そんなに怖いの？
あたしは傍らの優花ちゃんに思わず小声で尋ねてみた
彼女、力強く頷いてこう続けた
「冴香さんて銃の腕も超一流、お料理やお掃除にお洗濯と家事全般も完璧、顔もキレカワでスタイルも抜群って、秋さんとタメ張れる美人なんですけどねー？」
最年少美優ちゃんも何度も頷いて
ん？秋さんとタメ張る？…出来た娘さんじゃないのよ、バカネコ！
「猫さんの事が絡むと…ですね…」
両腕で自身を抱きしめて、身震いしてる
どうやら相当怖いらしい
…ネコの事で冴香ちゃんを刺激するのは控えた方が良さそうだ
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