泰子とゆかりの場合

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泰子とゆかりの場合

「え?先生に対する不満ですか?」 縁側に腰掛けて浴衣姿で昼間から梅酒を嗜んでいる泰子ちゃん 何故か温泉旅行先から付いて来たのだ 腕組みしてちょっと考えこんでる これは…期待大かも…? 昼間からお酒を嗜んでいるのは…まぁ、梅酒のソーダ割りだから…大目に見よう… 「いやー秋さん、思い当たらないですね〜?ほら、普段離れて暮らしてるからですね、不平不満より会えた嬉しさの方が勝っちゃうんでしょうね〜」 ガクッ さっきの様子なら更にお説教のネタが見つかりそうだったのに… こいつ…意外と巧く立ち回ってる? 「泰ちゃんはないだろうけど、あたしはありますよ〜?冴ちゃんにはネックレスなのにどうしてあたし達はイヤリングなんですか〜?同じ教え子にそんな差を付けるのは良くないと思いまーす!」 梅酒の梅の実を齧っていたゆかりちゃんから気になる単語が! 手酌で梅酒の水割りを作りながらなのが何とも… 見た目にハーフかクォーターに間違われそうな外見だけにね こちらも温泉旅行先からご一緒なのだ そうそう!あたしはそう言うネタが聞きたかったんだよ! って、をい、バカネコ?あたしは再会してから何ひとつもらった記憶がないんだけど? …そりゃあ、付き合い出した記念に?指輪プレゼントしてくれたり?花束贈ってくれたり?安くて美味しい食事をご馳走してくれたりしたけど? うーん、こうして考えるとあたしが一番色々プレゼントされてる気がする…これは黙っておかないと、あたしに飛び火する… 「あの…冴香さんは僕の奥さんポジションなので…も、勿論、秋ちゃんもですよ?それくらいの差別化はしないと…」 あたしはもらってない!少なくとも一緒に暮らすようになってからは何ひとつ! 「冴ちゃんのは確か誕生石付き、でしたよね?あたし達も誕生石のイヤリングかピアスがほしかったですぅ」 子供みたいに駄々をこねるゆかりちゃん… いや、別に良いんだけど…あたしも含めてだけど、年齢相応の振舞と言うか何と言うか… お酒の力を借りてると言えばそれまでなんだろうけど… 「あれは大体お弁当のお礼が本筋なんですけど…冴香さんだけじゃないですかぁ、出来もしないしやった事のないお料理にチャレンジしてくれたの…」 …確かに冴香ちゃんから聞いてた通りの理由だ、け、ど…何か腹立つ! 「ですから、冴ちゃんにはいくらでも不満があっても、先生には全然ないんですよね…ちょっとゆかちゃん飲み過ぎ!」 泰子ちゃんがそう言ってゆかりちゃんが抱えていた酒甕を無理矢理取り上げたのには、笑えたけど
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