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夏風邪
紫陽花柄の蝶が舞う
打ち上がる
夜に花網 君は掛かった
ふらふらと その隙に捕った
誘因
初熱の症状
「冷え過ぎたから」
身を寄せ合う
建て前は一夜の必需品
触れ合う 伝わる熱
知らないふりをした
やたらと夏が熱いから
きっと風邪をひいたんだ
茹だる夜
求めた君は薬と言うには胸焼けが過ぎた
『用法用量を守りましょう』
涼やかな文面
ああ 風邪をひいたんだ
行き交う花柄の蝶
聞こえる
祭囃子 君は笑った
へらへらと 悪くは無かった
疑心
恋の煩い
やたらと夏が熱いから
きっと風邪をひいたんだ
ネオンカラー
浴びる君は恋と呼ぶには眩し過ぎた
『用法用量を守りましょう』
涼やかな文面
ああ 風邪をひいたんだ
溶けた花手水
滲んだ味に冷たさが残る
崩してかき混ぜた
不純な色に居心地が悪くなって
夏みたいだ
『もう 夏なんだよ』
やたらと夏が熱いから
きっと風邪をひいたんだ
茹だる夜
求めた君は薬と言うには胸焼けが過ぎた
ネオンカラー
浴びる君は恋と呼ぶには眩し過ぎた
『用法用量を守りましょう』
涼やかな文面
ああ 風邪をひいたんだ
滴る
綺麗ではない 正しくもない
けれど唯の染みとも言えないだろ
ああ だから
風邪 風邪
夏風邪なんだ
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