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真菜たち七人は曙女子大学附属高校に通っている。帰りの地下鉄はいつもいっしょだ。
「ね、あれ何?おかしくない」
一番小柄な裕美が視線を向ける。空いた車内にはウールのショールを肩にかけた女性が一人で座っていた。
「冬のショールじゃん。八月の猛暑日に頭おかしいじゃないの。顔見てやろ」
一番ガタイが良く口も悪いユキナが一人で女に近づいた。
「青シャツ」
ユキナが馬鹿にした口調で女を見た。
自分のことを言われたと思った女は立ち上がるといきなりユキナの脚にタックルして足をつかんだ。
「わっ」
ユキナが床に倒れ混む。
真菜たちが近づく前に女はユキナのふくらはぎに噛みついていた。
「キャー」
陽愛が悲鳴を上げて、六人は少し離れたところからユキナと女をこわごわ見ている。
すると女がユキナの下着をずりおろした。
「やめろよ、ばばあ」
ユキナは悪態をつくが、今度はユキナの尻に噛みついた。
「何してんのよ、このばぱあをどけて」
ガブガブがぶり。ガブガブがぶり。
しかも、倒れたままのユキナの制服からバッジを無理やり奪った
「帰せよ、泥棒だぞ、帰せ」
女はユキナのバッジを持って素早く降りてしまった。
下着もはいでしまいたかったのだろうが脱がすことはできなかった。
真菜たちは怖くて動けなかった。
「ひでーよ、おまえら」
ユキナは抗議したが、真菜たちはただただ怖かった。
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