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翌日から真菜たち七人は高熱を出して学校を三日間休んだ。
仲良し七人が同時に休んだので、サボってどこかへ出かけたのだと担任の山田に疑われてひどく説教された。
脚をひどく噛まれたユキナの傷口はまだ真っ赤だった。
「ひでー目にあった」
と、ユキナはそればかり口にしていたが
「ヤバい人をかまうからだよ。あんたのせいで私たちまでもらい事故じゃん」
香美がズバリ返した。
高校三年生の二学期、というたいせつな時期に三日も休んでしまい
七人はさすがに焦っていた。
まもなく内部進学の選考試験があるためせっせと勉強に励んだ。
ところが試験が終わってすぐに七人は呼び出された。
山田と英語の教師が待っていた。
「英語の試験の件だが、これはなんだ」
きつい目と口調で山田が真菜たちを見た。
目の前におかれた真菜の英語の解答用紙には大きく“殺”と書かれていた。
七人とも圧迫されて無言のままだった。
「七人とも解答用紙はこうだ。特に下田ユキナ」
山田が睨んだ。
そこには“殺”ではなく“七人一緒”と書かれていた。
予想外の物を見せられて思わずユキナが「知らねーよ」と口にしてしまった。
すぐに山田がユキナの頬を打った。
「ひぃ」
「どうなんだ、高橋真菜」
「待ってください、こんなものを書いた覚えはありません。あの、試験の時は先生も監督をされています。その中で何人もが筆で書いたような文字を書くなんて、あり得ません」
ふむ、という顔を山田はした。
「まあ、高橋の英語の点数は百点満点だった。それだけになんでこんなことをしたのか。とにかく、親御さんにも来ていただく。今回の試験は全科目零点だ」
ようやく七人は解放されてため息をつく。
皆、泣き出した。
「零点なんて、ひくっ、ひどいよ、ひくっ」
陽愛が言う。
まどかはわりとクールだ。
「私たちは誰もやっていないよ。なら、先生しか、解答用紙にさわれないはずだよね」
「まって、みんな」
真菜が皆の顔を見る。
「今はこらえて。頭を下げて、再試験をお願いするしかないわ。みんなで進学するためには」
「真菜…」
「ねえ」
今まで黙っていた、葵が暗い顔をしている。
「呪われたんじゃないかな、あの、おばさんに」
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