3 エネミーくるみー

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 教室に着くと、案の定だった。  友達の小森 真由が、くるみとその取り巻きに囲まれている。  夜子が音を立てて引き戸を開けたとたん、  くるみはサッと顔色を変えて真由から離れた。  さんざん嫌がらせしてくるくせに、  夜子と直接やりあう度胸はないらしい。  取り巻きを引き連れて、逃げるように教室を出ていく。 「真由、だいじょうぶ? くるみに何をされたの」 「よ、夜子ちゃん……夜子ちゃん……」  騒然としているほかのクラスメイトたちには見向きもせず、  夜子は真由に駆け寄った。かわいそうに、泣いている。  ふっくらした色白の真由は、気が弱いが、優しい子だ。  クールでツンデレの気がある夜子にも、めげずに接してくれる。  大事な友達を泣かされて、夜子はさすがに頭にきた。 「なんなの、あいつ。今日という今日は許さない」  奮い立つ夜子に、真由は手で顔を覆ったまま首を振った。 「いいの、夜子ちゃん。もう、怒らないで……」 「なんでよ!」 「夜子ちゃんが居てくれるなら、わたし、それだけでいいよ……」  健気な真由に、夜子はそれ以上なにも言えなかった。
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