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笑顔を作るのが苦手で、周囲からはつめたく思われやすい夜子だが、
意外と熱血な一面がある。
数少ない友達だって準備には来るのだから、なるべく参加したい。
(とか言いつつ、今日もギリギリの電車だけど……)
日頃の低血圧が祟り、今日はまだ何も口にしていない。
(倒れる前に、どっかコンビニでも寄って、食べるもの買おうかな)
そう考えたとき、思い出したのがアメのことだった。
座席に座っていた夜子は、膝のスクールバッグをごそごそと探る。
だが、発見するよりさきに、高校の最寄り駅に電車が着いてしまう。
夜子は慌てて席を立つ。
乗り込んできた男の子と、勢いあまってぶつかりかけた。
ヒヤッとしたが、男の子は空いた席を見つけたことのほうが嬉しかったようだ。
いかにものんきな笑い声に、夜子は思わずクスッと笑ってしまった。
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