5月22日 ①

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5月22日 ①

今日 田舎から母が来た 明日 明後日と札幌で開かれる 公的な会議に出るためだ しばらくぶりで僕に会えることを それはそれは楽しみにしている気持ちが たまに来る電話に込められていた 高齢の母と離れて 札幌で闘病生活を送ることになり 親不孝を申し訳なく感じている 日頃 母には何もしてやれない 電話で苦労話を聞いて 励ますくらいしかできない 今回は僕のマンションに泊まることを 母は楽しみにしているから 僕は母のために 部屋を掃除するだけでなく 日頃は殺風景なので 急きょ思いついて 百均で造花を買い 僕なりに花を組み合わせ トイレに飾ったりした(笑) 02c18b27-55c1-4af8-b3fc-27da7e3fb840 ちょっと明るい色があると 目から明るい気持ちになれたらいいな 16058649-9a90-4fa5-aba7-5afb6f8595e4 そんな気持ちで 温かみのある鮮やかな色調と 落ち着いたグリーンブルーの薔薇を 選んでみた これに爽やかなアロマの香りを添えた 母をバス停まで迎えに行き 新しいマンションに連れて来て まず 母の話したい話を うなづきながら よく聞いた(笑) 母は自分の考えや行動したことを 事細かく話したい人間なので(笑) 大抵の親族は なかなか母の話を ゆっくり聞いてくれない  僕も仕事が忙しい時には正直 その 作業は してやりたくても 暇がなかった 今も みんな忙しいので  高齢者の回りくどい整理されていない 特段 興味をそそられない 自己中なダラダラした話を 聞いている余裕もなく 聞きたくもないだろう だから母は安心できる僕に会って 一番嬉しいのは ことだろうと 僕は思っていた まず僕のお気に入りのフルーツ 美生柑を食べやすくカットし テーブルに向き合って 2人でフルーツを味わいながら 母は思う存分 話したい話を 滝のような勢いで話した(笑) その後 母が喜ぶであろう 低い椅子を用意しておいたので その椅子に母を座らせ また 母の話を聞きながら 母の首や頭 肩 背中など マッサージした 夕食は親族Sと子どもたちと 同居人R 僕 母 みんなで ファミレスで 楽しく過ごし 親族Sにご馳走になった 夜は母が寒がりなので 都市ガスストーブをガンガン燃やし 布団には電気シーツを敷いておいた 布団に入った時 母は 「病気のあなたに   こんなに優しくしてもらえると   思わなかった・・・    とても嬉しい とても幸せだ」 と言って 少し涙ぐんだ 僕としては日頃の親不孝を 短時間で穴埋めしたいと思っていたので 喜んでるもらえて ホッとした 母は 明日 明後日と会議に出席 明後日 母の用事が終わり次第 親友Yの車で 母を送りがてら 少しの間 僕も故郷へ戻り 3泊4日という短い時間だが 故郷で音楽仲間と音楽を楽しみ できる限り 僕の不在中の 仕事の整理と引き継ぎをする予定 そんな訳で日記の更新は 滞りがちになるが 心身共に今は充実している 戦争体験者 ではないが 死に直面し続けてきた経験を 少しも無駄にすることなく 明るく豊かな生き方へと転換したいと 一生懸命になっている自分に 満足している(笑) 僕と同じ頃に 僕と同じ程度の余命宣告をされ その宣告通り亡くなられた方も いらっしゃる そうした事実をまざまざと見ながら 僕が今 こうして 元気でいられることを あらためて振り返ると 僕は 母を励まし喜ばせたかった    それと同じような気持ちから 僕と同じ難しい病気の方々や その他 様々な理由で 生きるために苦しんでいる人々の 心に寄り添う何かができるはずだ と 最近は真剣に考えている それは歌であってもいい それは詩であってもいい それは一瞬の微笑みでも 声かけでも 眼差しでも いい 死を遠ざけようと 全身で闘い続けている経験を活かし 自らの命を抱きしめる 純粋な未来志向型エネルギーを 表現したい 伝えたい 応援したい 09a1cfb6-7882-422b-90d5-cda081ed655c 家の近くの藤棚に 藤の花が咲き始めた (馬から落馬した的表現 笑) 藤色って  ほんのり紫がかった淡いピンクだなぁ 無数の甘い夢たちが たわわに実っているようだ
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