夏の終わりの訪問者

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 ありえない。 署内NO.1の腕を持つこの俺が、なぜ奴らの気配に気づかなかったんだ。 「そこにいろっ!」 妻に叫び、奥の部屋に転がり込む。 隠してある武器は三つ。 書斎、浴室、そしてキッチン。 ここからすぐに行けるのは。 書斎に飛び込み一つ目の武器をセットする。 時間が無い。 洗面所に滑り込み、手探りでマスクをつかんだ。 伏せたまま武器のスイッチを入れ、キッチンに向かって走る。 あと二十秒。 「伏せろっ!」 妻にマスクを投げながら、 俺は攻撃態勢に入った奴めがけて高性能スプレーを噴射した。 「今だ、やれっ!」 妻が最後のボタンを押す。 庭に飛び出した俺達は外からピタリと扉を閉めた。 タイムリミット! バ●サンが一斉に作動した。
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