夏の終わりの訪問者

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「なぁ、やっぱり引っ越さないか?」 「いやよ! やっと理想の家を見つけたんだもの」 「でもなぁ、大きな窓と風通しのいいこの造りじゃあ、今夜のことも焼け石に水だと思うぞ」 「だからね、私考えたの。目には目を、歯には歯をって言うでしょう?」 妻の差し出した携帯には、それは頼もしいアシダカグモが写っていた。 俺は確信する。 もうすぐ今年の夏が終わる。 その頃にはきっと、この家は。 立派なホーンテッドハウスに生まれ変わっているに違いない。
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