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なんでだろうなと思っていると、あっという間にお開きの時間になってしまった。
そして控え室に行こうとすると、緊張気味で震えているセシルさんに声をかけられた。
「その、怪我は大丈夫でしたか」
「はい、大丈夫ですよ。回復魔法で直したので」
「少し、お話いいですか」
そう聞かれたので隣にいた彼に、目配せしみると頷いていたから話を聞くことにした。控え室に行き、ソファに腰掛けると話し始めた。
「僕はリアム……様が」
「リアムで良いですよ。セシルさん」
「僕のこともセシルでいいよ」
話を聞くとセシルは僕を女性だと思っていたため、アイラからウォルターを撮った悪女だと決めつけて攻撃してしまったらしい。
しかも、リアムの話ばかりするダニエルに腹が立っていたこともあり、リアムに八つ当たりをしていた。
「それに、ウォルター様の方がリアムにぞっこんみたいだしね。これから、大事な時間でしょ。邪魔して悪かったね」
「うん、またね」
「ああ、またな」
そう言って少し目頭に溜まった涙を拭って、その場を後にするセシル。本当はとても良いやつなのだろうと思った。
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