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それでも少しは、自信を持ってもいいのかな。と、未来に少し期待してしまった。話は改めて魔物討伐の話になった。
「ところでリアムは、回復魔法はご存知ですか?」
「えっと、確か。希少価値の高い魔法ですよね?」
この世界の回復魔法は、一万人に一人の確率でしか生まれないとされており全ての魔法の中でもトップクラスに希少価値があるものだ。
他の魔法と違い発動条件が解明されておらず、魔法を人類が使ってから一万年ぐらいとされているが未だ解明されていない。
ジャージーさん曰く、彼も魔物討伐に加わることが多いらしいのだが回復のポーションを使うしかないらしく圧倒的に人手が少ないらしい。
回復魔法か……ジャージーさんの話を聞きながら僕は考えていた。もし、僕にも回復魔法が使えれば、役に立てるのになと思う。
僕がそう思っていると、僕が思っていることを察したのか釘を刺してきたのかは分からないがとある事実を知ることになる。
「お嬢様の魔法は、回復魔法です。そしてわたくしは、若輩者ではありますが炎系統の魔法を得意としております
もし回復魔法が使えれば、ウォルター様や他の剣士の皆さんや魔術師の皆さんを救えるのになとありもしない妄想をしてしまった。
僕がそんなことを考えていると、アイラさんが泣きながらジャージーさんに抱きついて駄々をこねていた。
「ジャージー! ウォルターが酷いのよ!」
「お嬢様は、来年で十八歳。成人されるのですよ。大人になってください。それと、婚約者がいる身で他の男性にあまり馴れ馴れしくされない方がよろしいかと」
その言葉に、僕は思わず静かに頷きながら仕事を進める。しかし、アイラ様は先ほどにも増して駄々をこね始める。
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