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「山田・・」
先生・・・
「山田、おい山田」
「せんせ・・」
俺は、目を覚ました。
ぼんやり半開きの眼に、先生の姿が映った。
「先生!!」
「おう、山田。お前、補習中に俺の目の前で居眠りとは、良い度胸だな」
先生は、元気だった。いつもの先生だ。
「先生・・・」
「お前、何泣いてんの・・?」
俺の目から、勝手に涙が流れていた。
「先生・・もう死なないで下さい」
「一回死んだような言い方だな」
「だって、死んでました」
「そうかよ。まだ終わってないぞ」
先生は、そう言って俺の机に置いてある小テストを人差し指でトンと叩いた。
そうだった。小テストの最中だった。
教室には、俺と先生しかいない。つまり学期始めのテストで必要ラインに届かず補習受けてるのは俺だけだった。
テストで間違えてた所を補習して、小テストを受けてる時に居眠りしてしまった。
俺は思わずため息をついた。自分自身にうんざりする。
「ほれ」
先生が、ポケットテッシュをくれた。
俺は鼻水をかんで、小テストを続ける。
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