1歩

1/5
前へ
/100ページ
次へ

1歩

待っていました受験シーズン! なんて喜ぶ人なんていない。誰もが憂鬱になるのが受験だ。 公立の中学校に通っている人はほとんどが初めての受験にドキドキしているだろう。 自分のこれからの人生を左右すると言っても過言ではない受験。 志望校や将来を考えた進学に皆が頭を悩ませている。 意識の高い人たちは中学2年生頃からスタートしているかもしれないが、ほとんどは3年生への進級と共に受験というプレッシャーを感じ始めるだろう。 「あぁ、受験か・・・俺勉強苦手だからな」 「俺も・・・部活の方で何とか推薦貰えないかな」 「私は制服がかわいい高校に行きたいんだよね」 「制服も重要なポイントだよね。あとは自由な校風の方がうるさく言われなくて良さそうだよね」 桜が散りゆく中を歩いている生徒たちの上ではきれいな青空とそれをさらに華やかにしているピンク色。 高揚する気分と不安で押しつぶされそうなへんてこな感情。 「はぁ」 その全てを含んだため息を漏らしながら校門を潜り抜ける。 その先には新しいクラス表が掲示されており、さらに明暗を分ける感情が渦巻いている。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加