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「優しいお母さん? そんなものが夢なのか? もっとまともな夢を考えられなかったのか?」 私の夢はお母さんからもお父さんからも嫌がられるようなものだったのか。 ただ自分は優しいお母さんになりたいと思ったから描いただけなのに。 「・・・ごめんなさい」 「お父さんに謝っても意味がないだろう。ちゃんとお母さんに謝りなさい」 もう何度も謝ったのに。 そう思った言葉を飲み込み、お母さんの元へ行った。 「・・・あのね、お母さん」 「邪魔よ、あっちに行って」 目も合わせず、手で払われた。 どうしたらいいのか分からずお父さんの方を見るが、食事をしながらテレビを見ておりこちらには気が付いていない。 このまま近くにいればまた怒られると思い、部屋の隅で静かにしている事にした。 それからはできるだけ自分の意見や考えを言う事はやめた。 大人に言われた事に従っている方が楽だと思えたからだ。 「それでは今回は皆さんの将来の夢を書いてもらいます。今度の参観日に発表もしてもらうので、真面目に書いて下さいね」 「えー、お金持ちになりたいとか?」 「そんなの駄目に決まってるじゃん。もっとちゃんとした夢にしないと怒られるよ」 「ちゃんとしたってなんだよ。じゃあ宝くじで億万長者になる」 「だから、そういうのじゃなくて真面目に考えるの!」 真面目に考える夢
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