しょうゆvsソースの戦い

でも、そんな私たちの傍で。

「お兄ちゃんは、ヤキモチ妬いてるんだよパパ！」

「お？そーなの？」

「うん！パパのこと、だいすきだから！」

「パパは、ママも昌冬も由希も、大好きだぞ」

「だーめ！由希はパパのお嫁さんになるの！」

「お！〝ソース派〟同士いいな！」

「うん！パパとおんなじ！」

...............まるで夫婦のような会話の由希とパパ。

今でも、たまに思う、目玉焼きという、
食の好みにズレがある、真臣くんと。

──────どうして結婚したんだろう？って。

「............へぇ、なら僕がママと結婚する」

「あ゛？昌冬、いくらなんでもそれはダメだぞ」

「だって、パパは〝ソース派〟じゃん」

「目玉焼きには、絶対ソースだろ！！」

「いや、絶対しょうゆだから！！」

でもね、昌冬と由希という宝物がいて。

昔と違う、〝しょうゆvsソースの戦い〟

それをするのは、
──────なんだか微笑ましくて幸せだから。

fin.