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遊馬に連れられてやってきたのは...............
「............ここって、遊馬のお父さん達の、」
遊馬のお父さんとお母さんが経営する会社。
「...............あぁ、そうだな、」
ぼーっとビルを見上げる私と、
その隣で、浮かない顔の遊馬。
「............ぅ、私、1人で行くからいいよ?」
遊馬は、昔から、
お父さん達の会社に行くのが苦手みたいで。
いっつも不機嫌になってしまう。
だから、気を遣ったつもりなのに.........っ。
「いや、お前顔パスじゃねーから、俺も行く」
そう言って、サラッと、
私の手を握って歩き出す遊馬。
「ゆ、遊馬!ほんとにいい!来なくていいっ!」
遊馬に無理させたくなくって、
必死に、抵抗してみるも敵わなくって。
私は、遊馬に手を握られたまま、
──────ビルの中へと入った。
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